2017年、格安SIMが普及してきてモバイル通信の料金はダダ下がり。
でも、固定回線は全然下がらない・・・
家の電話なんてもう、ほとんど使わないんだから一緒に廃止してしまいたいなぁ・・・
ということで、固定通信回線をモバイル通信回線に置き換えられないか考えてみた。
もくじ
- はじめに ~二重契約が無駄~
- モバイル回線 VS 固定回線
- モバイル完全置換の問題点
- フレッツ光の料金体型
- 格安SIMを探す
- 格安SIMまとめ
- 固定回線 廃止できそうな予感
- 固定回線を一時停止して200kbpsでテザリングしてみた
はじめに ~二重契約が無駄~
固定電話+通信回線(NTTフレッツ光など)は、10年くらい前に月6000円程度(戸建)になったと記憶してる。
けど、それから下がる気配が全くない。
ギガやらキャッシュバックやらスマホとの抱き合わせやらを前面に押し出して必死に安さをアピールしているが、そんな事より無条件(縛りなし)に基本料金を下げて欲しいものだ。
だいたい、ギガなんて速度出るワケがないし、出たとして意味があるのだろうか? 一般家庭で・・・
というより最近は、外使い用のスマホ通信回線で全て済んでしまうことも多い(外用は現在、UQmobileデータ高速プラン3GB)。
この、自宅用と二重契約してる形態がムダに感じ始めた2017。
しかし、急に全廃してしまうのも厳しそうだな。
・・・ということで、とりあえず縛りの無いモバイル回線(格安SIM)を追加or変更して、固定回線と置き換えられないか検討してみた。
という話。
ただし本件は、利用者が1~数人のケースであり、2017年現在、事業所や大家族(概ね6人以上)の廃止は困難だろう。
モバイル回線 VS 固定回線
最初にスペックなどを比較し、両者の差異を掴んでおこう。
ただし、これはあくまで公式サイトなどで確認した情報を、地方都市ド郊外在住の俺が、経験と主観に基づいてまとめた個人的メモである。
最終的な契約の判断は各事業者の最新データを参照し、己で判断していただきたい。
下り通信速度(実質)
- モバイル
1Mbps~100Mbps程度 - 固定回線
数十Mbps~100Mbps程度
※2017年時点
スペックを見る限り、下り最大通信速度は十分な速度域に達しており、むしろオーバースペックぎみ。
下限値(混雑時間帯の速度)に差がある程度。
だがこの要素、ド田舎在住者にはほとんど関係ない。近隣住民やダチ等の意見を聞いた限りでしか言えないが、むしろド田舎だと光回線の速度低下が酷い。
上り通信速度(実質)
- モバイル
1Mbps~数Mbps程度 - 固定回線
数十Mbps~100Mbps程度
キャリアアグリゲーション対応の関係でモバイルは上りが弱いはずだが・・・ド田舎では違う。
圧倒的に利用者が少ないためか、なぜか下りより速かったりする。
まぁしかし、サーバー運用しまくって生活をクラウドに全依存している人以外は、1Mbpsでもオーバースペックぎみ。
データ容量(最大利用可能量)
- モバイル
数GB~20GB/月(単価は200~300円/GB) - 固定回線
無制限
フレッツ光には原則※通信量に制限がない。
これが最大のメリットなんだけど、享受できるかは別の話。予想以上に使わない。動画視聴をしまくらない限り一日あたり1GB以上通信する事はあまり無い(後述)。
※下りは無制限だが、上りはプロバイダによっては制限がかかる(ただし個人では通常あり得ない量)
通信品質(応答速度)
- モバイル
不安定(ノイズに弱い) - 固定回線
安定(物理的破損が無ければ)
モバイルは隣接する無線局や電子機器、鉄骨建造物などのノイズに弱い。親機(基地局)の距離が遠いと繋がらない事も良くある。
固定回線は圧倒的に有利・・・かと思いきや、それは都会の話。ド田舎は有線であっても応答速度の遅延(ラグ)がデカい。PvPゲームは基本勝てない(ダチのゲーマーK君曰く、撃って着弾した後に撃たれるらしい)
保守管理(所有権と責任分界点)
- モバイル
SIMカードまで通信会社の設備 - 固定回線
終端装置(ONU)まで通信会社の設備
実はけっこうデカイ要素。イマドキの通信端末(スマホ、PC、タブレット等)は、ほとんどが無線通信前提になってる。それらに追加設備は不要。基本はSIM差すか無線LAN掴むだけで終わる。その先も延々と無線で繋がる(テザリングなど)。
一方で固定回線は、終端装置以降の無線親機とLANケーブルなどを自前で用意しなければならない。
用意だけならまだしも保守が必要。通常は配線を壁に埋め込んだりモールディングしてるため、トラブル時に破損個所の発見が難しかったり・・・落雷時に全部イカれてしまったり・・・
てことで、ユーザーの管理負担はモバイルの方が圧倒的に少ない。
モバイル完全置換の問題点
先程の差を元に予想される問題点はこんな感じ。
1.ギガ単位のデータ転送を気軽にできなくなる
ゲームは簡単に10GBくらい通信してしまう(SteamなどのDLCが多いPCゲームは特に)。
応答速度が重要になるオンラインゲーム(特にFPSのPvPタイプ)はたぶん無理。諦める以外ない。
ディスクイメージ(Linux、WindowsなどのOS)のダウンロード、セキュリティパッチなどは職場、実家、その他の許容されている公衆回線で別途ダウンロードすればカバー可能と思われる。
てことでこの問題、対人FPSやらない俺は余裕で許容可能。
2.機種が強く制限される(ドコモ系SIM+テザリング)
運用はモバイルルーターになる可能性が高いが、2017年現在、au系SIM の選択肢がほとんど無い。
ただし急激に改善が進んでおり、Zenfoneシリーズは徐々にauバンドに対応(主に1,18,26)。これらSIMフリー機種によるテザリングも可能(なはず)。まぁ、auの中古端末もアリ。
これも、何とかなりそう。
3.コンテンツ視聴は低画質で妥協することになる
独自に計測(環境は後述)した結果、主要コンテンツは以下のような傾向にあった。
- 動画ニュース(Yahooニュース)
1Mbps程度→450MB/h - 実写動画(Youtube HD画質)
2Mbps程度→900MB/h - アニメ動画(GYAO DBZ)
1.5Mbps程度→660MB/h - ラジオ(radiko TBSラジオ)
64Kbps程度→28MB/h
1Mbps程度あれば、全く視聴できないという事は免れる。
画質が落とせる動画サービス(Youtubeなど)なら、0.5~1Mbps程度あればソコソコ見れる。厳しいのは高画質(フルHD)の実写映画くらいか。
音声のみのradikoは全く問題ない。一日10時間毎日聞いても月10GB行かない。ただしモバイルだと地域判定が不安定だけど。
4.データ容量10GB/月未満のプランは選べない
さっきの3と、去年あたりに北海道や九州でテザリングしまくった経験を加味して考えると、最低でも一日300MBくらいは必要(WEBブラウズ主体)。
300×30=9000(=9GB)だから、最低10GBは欲しい。15GBあれば安心。
これ、だいたい中間層やや上くらいなポジではないかなぁと勝手に思ってる(ガッツリゲームやらない系の中で)。
固定回線の割高感(フレッツ光の料金)
現在契約している固定回線(フレッツ光)のスペックはこれ。
- NTT東日本フレッツ光ネクスト
ファミリー・ハイスピードタイプ - 月額
4500円(2年割700円引後) - 光電話
500円 - プロバイダ
500円(BBエキサイト)
合計 5940円(税込み)
下り200Mbpsで通信量は無制限(過去に速度規制が入った記憶は無い)。工事費は完済。
電話は除いて考えても月額は5400円。けっこう高い。できれば半額以下にしたいところだ。
2500円/月にできれば差額は2900円/月。
年間34800円も浮く。NTT2年割違約金を支払ったとしても、3カ月くらいで元が取れる計算。
3000円あったら、3GB/月の格安SIMを3回線分契約できるこのご時世。
この計算でいくと、固定回線を廃止してモバイルを増量した方が利便性は高い気がしてきた・・・
格安SIMを探す
置換のために、見えてきた条件はこんな感じか。
- データ専用SIM
- 月10GB以上利用可能
- 月額2500円以下
- 速度500Kbps以上
- 縛りナシ
- 混雑するため有名どころは外す(楽天、OCN、ビック、ヤマダ等)
ドコモ系SIM 従量制
使うデータ量を最初に選んで契約する形態。価格は税込換算。縛り(契約解除料)は全て無い。
DTI SIM
運営はドリームトレインインターネット(東証 3843 フリービット子会社)。けっこうな老舗だが、最近影が薄い印象。
- プラン名称
データプラン10GB - 月額
2268円 - データ容量
10GB/月 - 繰越
あり - 超過後速度
200kbps - 初期費用
3240円+SIM発行425円
DMMmobile
運営はアレ動画で有名なDMM.com。非上場企業で経営の不透感は高め。
- プラン名称
シングルコース データ専用SIMプラン10GB - 月額
2365円 - データ容量
10GB/月 - 繰越
あり - 超過後速度
200kbps - 初期費用
3240円
LIBMO
運営はTOKAIコミュニケーションズ(旧ビック東海 東証 3167 TOKAI HD子会社)。けっこう古くからある会社。
- プラン名称
データ通信プラン10GB - 月額
2462円 - データ容量
10GB/月 - 繰越
あり - 超過後速度
128kbps - 初期費用
3240円
nuromobile
運営はソニーネットワークコミュニケーションズ(ソニーモバイルコミュニケーションズ子会社)。会社の知名度は高め。
- プラン名称
データプラン10GB - 月額
2484円 - データ容量
10GB/月 - 繰越
あり - 超過後速度
初速のみバースト、数値記載なし - 初期費用
3240円+SIM発行425円
エキサイトモバイル
運営はエキサイト(JASDAQ 3754)。今、プロバイダ契約してる。
- プラン名称
最適料金プラン データSIM - 月額
540円~2570円(MAX10GB) - データ容量
最大10GB/月 - 繰越
あり - 超過後速度
200kbps - 初期費用
3240円
ドコモ系SIM 定額制
データ容量は無制限だが、(実質的に)速度制限があるプラン。
パナソニックwonderlink
運営はパナソニックコンシューマーマーケティング(パナソニックアプライアンス社系)。
- プラン名称
LTE F-使い放題700 - 月額
1706円 - データ容量
無制限(1G/日を越えると制限の可能性あり) - 繰越
– - 速度
700kbps - 初期費用
3240円
DTI SIM
先程10GBプランでも出てきた会社。運営はドリームトレインインターネット(東証 3843 フリービット子会社)。
- プラン名称
データプランネットつかい放題 - 月額
2376円 - データ容量
無制限 - 繰越
– - 速度
中速、速度表記あいまい - 初期費用
3240円+SIM発行425円
U-mobile
運営はU-NEXT(東証 9418)。動画配信系。
- プラン名称
データ専用 LTE使い放題 - 月額
2678円 - データ容量
無制限(通信総量制限あり、数値非公開) - 繰越
– - 速度
ベストエフォート - 初期費用
3240円+SIM発行425円
au系SIM
2社しか無い。au回線はデフォでSMSが付いてる(ドコモはオプション)。
mineo
運営はケイオプティコム。関西電力の子会社。
- プラン名称
Aプランシングルタイプ 10GB - 月額
2721円 - データ容量
10GB/月 - 繰越
あり - 超過後速度
200kbps - 初期費用
3240円
UQmobile
運営はUQコミュニケーションズ(KDDIグループ)。インテル、JR東、京セラ等も出資。この資本関係で格安SIMと言えるのかは微妙なところ。
- プラン名称
データ無制限プラン - 月額
2138円 - データ容量
無制限(3日あたり6GBで通信制限の可能性あり) - 繰越
– - 速度
500kbps - 初期費用
3240円
その他 WIMAXについて
若干毛色が違うサービスにWIMAX2+がある・・・が、地方エリアのカバーが壊滅的なため選択不可能。しかも、たいして安くはない(月額4000円~+縛り)。
おまけに使えるルーターが限定される。完全に論外レベル。
格安SIMがこれだけ台頭してしまった今、個人向けモバイル回線としてWIMAXは終わった気がする。
2+でさえ、もはや相当厳しいのではないか。
格安SIMまとめ
DMMは非上場で会社自体に謎が多く保留。
LIBMOは超過後128kbpsだから無い。
パナはスマホ撤退の上、アプライアンス社管轄なのが良くわからない(本気度が?)。
エキサイトはMAX10GBという形態が微妙。
DTIは速度表記があいまいな点が気になる。
U-mobileに至っては、容量無制限と言いながら総量制限の数値を公表しないという意味不明な運用方針が酷すぎる。他社は「1日○○GBまでは無制限ですよ」と言っている。だがこの会社は「我が社が良いと判断する限り無制限ですよ」と言っているに等しい。それって無制限なのか? 某国の表現の自由の規定と一緒じゃねぇかソレ・・・
てことで、2社候補が残った。
ドコモ系SIM
nuromobile データプラン10GB
超過後のバースト機能を公言しているのが良し。
au系SIM
UQmobile データ無制限プラン
バースト公言は無いがバーストぎみ(データ高速プラン3GBの使用感で)。
固定回線 廃止できそうな予感
フツーに置換できそうな予感がした。
てことで、廃止のロードマップを作成。
- UQmobileの3GBプランを無制限プランに変更
- 固定回線(フレッツ)を一時停止し、500Kbpsテザリングの使用感を試す
- 許容できそうならNTT固定回線廃止
- 平均通信量測定
- 足りなければnuromobileを契約
- 完了
固定回線廃止シミュ 200kbpsでテザリング
500Kbps無制限プランに変更する・・・前に、できる範囲で検証しておこう。
測定条件
- テザリング端末
URBANO L01(android4.2) - 回線
UQmobileデータ高速プランの「低速モード200kbps」 - PC
Windows10(CPU PentiumG4400) - ブラウザ
Firefox - 速度計測
TCPMonitorPlus
URBANO L01上でradikoアプリを起動。TBSラジオを流しっぱなしの状態にして、バックグラウンドで負荷をかけておく。
測定結果(体感)
- Google検索
気づかないレベル - 価格ドットコム
表示まで15秒、ページ遷移ごとに5秒~ - Amazon.co.jp
表示まで1分、遷移ごとに数分~フリーズ - radiko(PC)→再生まで2分、他の通信が入るとフリーズしやすい
- YouTube
操作可能まで10秒、表示は1分~、でも144pなら案外視聴できる - Yahooニュース
動画は無理 - GYAO
無理、サイト読込困難 - AbemaTV
無理、サイト読込困難
なぜかアマゾンが厳しい。
初速バーストしており最初の約2秒間ほど400Kbps程度出る。このことから、500kbpsあれば動画配信サイト以外はほぼ問題なさげ。
固定回線の廃止は可能
ちょっと本気で検討してみよう。
NTTフレッツ光を格安SIM(テザリング)へ置換するのはアリ
へ続く。