最強ツーリングロードを求めて-西日本へ行くルートの検証結果 2023-2024東山道北陸道編-を制作

マイプロジェクト2025

過去記事まとめ、ツーリング同人誌作ってる件。趣味で作りたいように作ってるアレ。

拡散されまくりの超有名観光地だろうがなんだろうが「行かなくて良い」って言い放つ、どこに需要があるのか解らない媒体(ブログ)のまとめ。

最強ツーリングロードを求めて-第3弾九州編2024-を制作

「バイクで爽快に走ること」しか考えて無い本。

第4弾、東山道北陸道編 2021-2024(関東から西日本へバイクツーリングへ行くルートの検証結果)を作ってみた。

しかし、この地域は制作にあたって、問題が続出。制作は困難を極めた。

もくじ

  • 関東-関西間 問題ありすぎ
  • 1 関東の密度が高すぎ 問題
  • 2 埋立地対策がさすがに必要 問題
  • 3 鉄道網が必要かも 問題
  • 4 本州の標高が高すぎる問題
  • 5 水域データがブレまくり問題
  • 6 近畿の市町村境界線が取れない問題
  • まとめ

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関東-関西間 問題ありすぎ

着手前になんとなく解ってたけど・・・最初からとにかく問題が多発した。

最もデカイ問題は、収録範囲が決めにくいこと。群馬中心で西方向を語る時点で「関東」ではない。「中日本」や「中部」なのかと言えば、東海(静岡愛知三重)にはほぼ行ってない(今後行く予定もない)から違う。でも岐阜の存在があり、東海地方の収録は必須

ルート的には「東山道」が最も近いのだけど「北陸道」も行くから、日本海側の収録も必須。そして、東山道だけ冠する自動車道も新幹線も無いし兵庫(神戸)まで行く関係上、タイトル名称的にも微妙。でも群馬からのルート的には「東山道」が正規ルートなため、入れるしかない。

また、本件は「西日本ツーリングへ行く方法編」でもある。

したら、東京港から神戸港までの収録は必須。横須賀港も必須なため神奈川は削除できない千葉茨城も西端を経由する(してる)から削除できない。圏央道の関係もあるし・・・どうせなら2021年の西関東ツーリング(伊豆-富士)も同時収録しようか。

・・・という感じで、データ量が増えまくった。

その結果として、検討や修正対策が必要だったポイントは以下の通り。

問題点 6つ

  1. 関東の密度が高すぎ
  2. 埋立地対策がさすがに必要
  3. 鉄道網が必要かも
  4. 本州の標高が高すぎる
  5. 水域データがブレまくり
  6. 近畿の市町村境界線が取れない

順に解決(妥協)した方法は以下のとおり。

1 関東の密度が高すぎ 問題

結論から書けば、無視。

もうどうにもならぬ。東京基準で縮尺を合わせたら、ベースの解像度1万分の1以下程度は必要になる(道路が重なるため)。

こんな詳細度で地方を作ったところで、画面内に線が1本どころか無の区間が大半になる。

というか、制作マシンのスペックが足りない。限界で10万分の1(製作段階の話であり閲覧の話とは別、今はもう紙ではなくスマホだから尺の意味などもう無い)。

しかしながら・・・10万分の1でも、東京港から神戸港までカバーするのは無理すぎた。そして、どうせ10万にしても潰れて見えないため、15万分の1でいいや感。

てことで、15万分の1制作に決定(北海道編の倍解像度)。

すると・・・

拡大縮小を多用することになる

のだけど、関東は全体俯瞰して見ないと距離感や方向感がメッチャ狂う

東京の地図読めない属性の人が変な事を言いがちな件のアレだ(典型例は北千住-西船の最短路が新松戸経由だと勘違いする件@路線図しか見てない。高崎が東京の北にあると勘違いしてる件@交通軸で簡略化された地図の罪。赤城駅が赤城山の、安中榛名駅が安中や榛名の最寄り駅だと勘違いする件@たぶん闇。北軽井沢は軽井沢どころか群馬な件@ガチな闇 など)。

この対策として、20kmのグリッドを追加。20kmという距離感は、地方だと30分、南関東だと60~90分の範囲だから、解像度との兼ね合いから見てこのくらいが適正かな、と。

まぁとりあえず初版だし、実験で入れてみた。なおAIに聞いたら3分でできた。AIヤバイ。



2 埋立地対策がさすがに必要 問題

九州版から問題になってる件(福岡アイランドシティのデータがOSMにない等)。

色々調べてみると・・・どうやら日本のOSMが使えない説は定説なようだ。

とにかくタグのブレがすごいから。

全部other_tagにぶっこんである謎仕様のデータとかがありまくる。そんなの作成者以外の利用は困難じゃねっていう・・・最近のグーグルマップの「★」が全く使い物にならなくなってる件に似たアレ。

価値観の多様化、というより・・・

個人感情と確執が暴走してる

つまり、闇の編集合戦が行われてる疑い。というのは知らんけど、特に水回りのブレが酷くて・・・佐賀の水路の件とか典型で、埋め立て地に問題が多い印象。

んで、関東~近畿は埋立地が多いため海岸線データの取得が不可避になった。加えて本州が「island」扱いではないのも致命的だった。

ということで、海岸線データを取得する方法を考えた、いや、AIに聞きまくった。

結果・・・

Copilotさんがポンコツ化に向かってる雰囲気

がする・・・なんか最近、急速に酷くなってね? 去年とは、まるで別人(別AI)のようだ・・・

これはWindowsに終焉を感じるぞ・・・次に来るのはChatGPT OS(仮)な気がしてきた。

などと考えながら、ChatGPTに切り替えたものの、返答がパッとせず・・・Grokにしたらソッコーでタグが判明。Grok優秀、聞き方がアバウトでも割と返って来る率が高い。

やっぱり、イーロンマスクはスゲー(まー、時期とジャンルによるんだと思うけど)。というのは置いておいて・・・

どうやら多用されてるっぽいタグは、natual=coastline な模様。その情報を元に片っ端から試す。

結果は以下の通り

  1. OSMからoverAPIで取得してみた
    サーバーの応答速度の関係で本州一括取得が困難すぎた、無理
  2. ローカルにダウンロードした日本全体のPBFファイルから読む
    データが巨大すぎて無理
  3. 分割してOSMのoverAPIから取得する
    北海道、東北、関東、中部は取得できたものの、西日本が取得できない
  4. 緯度経度を直指定で取得する
    未整理の線データを取得完了

ということで、ブチブチ切れまくった海岸線データは取得できた。しかしこのままでは使えない。

ポリゴンに変換する作業が必要

これもまた、AIに聞きまくる・・・2025、AI最強である。

マジでこれはヤバイ、完全に何かがブレイクスルーした感がある。

ここから5年、AIを使いこなせない人はWin95の時にパソコン使えなかった爺と同じポジションになる予感がするわ・・・いや、アレより酷いかもしれぬ。

・・・などと考えながら聞きまくった結果、Grokが最も的確に答えてくた。

手順的には
QGISの全選択→空間演算ツール→融合→ジオメトリツール→線をポリゴンに変換

でいけた。

いやー、AI最強だわ、このコマンドメニュー量、人力で全部探して試すの無理よ。


3 鉄道網が必要かも 問題

これは結論から言うと、必要だけど無理。

理由は「鉄オタが暴走してるから」

ChatGPTさんも「OSMの鉄道界隈は地雷原」だと言い切った。統計や技術的分類どころか実用すら無視した鉄オタの「知ってる事をとにかく入れたい」欲が暴走しまくり、データの一貫性が全くない。

大手のOSMサイトは、相手するのは無駄だからもう放棄してる感すらある。

比較的揃ってるGeofabrikのデータでさえ、新幹線のラインだけ抽出するのが困難だった。JR、私鉄の分けなどほぼ不可能レベル。鉄道、地下鉄、路面電車、新交通システムの4種の描画分けで限界。

だがそれすらも、東葉高速とMM線が「subway」なのに埼玉高速は「rail」になってて、もうどうにもならぬ。

ということで、全カットした。

一応、妥協して地下鉄と路面電車と新交通システムだけ入れようとした(都心部が解る)んだけど、前述の理由+山万とニューシャトルと山口線があるのに千葉都市モノレールや多摩都市モノレールが無いのを見て、もう諦めた(モノレールを入れると、ディズニーのアレ等が入ってしまうため)。

まぁ道路の密度から、鉄道情報が無くても「ココ市街地なのでバイクは行かなくて良い」と解るでしょう。

ちなみにChatgptさん、曰く

  • OSM系のプロジェクトは、鉄道ジャンルだけ異常にカオス
  • 「駅名表記にこだわる→駅が複数化」
  • 「ホーム番号にこだわる→タグ爆増」
  • 「車両基地を正確に描こうとして地形がバグる」
  • それ誰得?みたいな細かさ
  • 情熱が暴走している
  • 関わらない方が賢明

だそーです。

確かに、車両基地なんかいらないよな。絶対にいらねー。空港と同じで、単一ポリゴンで塗っときゃ良いと思うわ(滑走路や誘導路や格納庫の情報なんかオタク以外いらね)。

まーでも、関東関西間だけ、鉄道路線と道路の混みがリンクしてる(バイク的には行かなくて良い判定)のは事実なので・・・それは個別に書くしかないかなぁ、と・・・

4 本州の標高が高すぎる問題

本州というか、これまた関東-中部エリアだけの問題。

それ以外の地域で標高1000mを超えたら、ほぼ道路なんか無いからたいして気にしなくて良いんだけど、関東~中部だけメッチャある。

群馬長野岐阜(+周辺)のラインだけ、お気楽フィーリング走行で油断してると簡単に1000m超えてくる

これはバイクツーリング的にクリティカルなため、対応を考えざるを得ない。

バイク的に重要な標高ライン

この地域で割とバイクツーリングしまくってる群馬県民の体感と実績で語ると、以下のようになる。

※群馬長野岐阜エリアの気候基準、九州四国や東北は異なる

  • 400m
    あまり気にしなくて良いけど、天候だけ注意
  • 800m
    冬春(3-4月)と秋冬(11-12月)は限界ライン(1000mは凍ってる確率が非常に高い)
  • 1200m
    バイクツーリングの極限ライン(下界の市街地と同一装備で耐えられる限界)
  • 1600m
    やめとけ、バイク向いてない(雨が降ってきたら真夏以外はリアル死)
  • 2000m
    絶対やめとけ(天候読みできてソッコー帰れる地元民以外無理ゲー)

2000mは本当にやめとけ。

ここらが危険、本当にやめとけレベル(1600m以上ある)

てか、この問題が出てきたのってつい最近の話なんよね。20年前は行くのすら困難だったから。ガチ装備民以外は行けなかった(燃調、連絡手段、天気の読み、コンパス+三角測量+紙媒体でのルート調査の用意が必要)。

だから、割と空いてた。お手軽に行くヤツなんか居なかった。クルマはともかくバイクはガチで遭難して死ぬから。

でも令和時代の今、GPS、ナビ、携帯電話(電波)、SNSで無責任に拡散してるヤツ、これらがあるから、行くヤツ爆増。

特に最後のが重要で、あれ見て勘違いして行くヤツらが大量に居る。

あの属性は基本ナメくさった体質がデフォなのか、ここ数年はとにかく酷い。想定外だった感が車体の動きに出てる(こんなに遠いとは、寒いとは、何も無いとは・・・)。

そもそもさー、2000mでバイクは無茶だよ・・・

行っても、ぶっちゃけ楽しく無いよ?

まー何が「楽しい」のかは自由なんだけど、宗谷丘陵とか竜泊ラインとか内之浦のJAXAのとこあたりが「サイコー」な民は、高山タイプのスポット行っても、皆さん同じ事を言うと思うんだよ(てか、実際に言ってる人が居たし)。

寒すぎる割に混みすぎて無理だべ・・・って。轢かれたら救急車が来る前に死ぬから・・・って。

100%無理ではないけど、条件がギャンブルすぎるんよ。基本、真夏以外無理な時点で爆混み確定なワケで。

真夏だから突然天候も変わるし。麓で見て登ってる間に天候が変わるし。まだクルマだったら良いけど、1000m以上で雨のバイクはやばい。リアルに死ねる。

だから、俺は絶対に薦めない。気合で行っちゃうけど薦めない(メルヘン街道志賀草津道路八幡平アスピーテライン)。

「バイクで高山で快適ツーリングやー」ってのは、石鎚~四国カルストあたりが北限だと思うんよ。

岐阜長野群馬以北はマジでやめとけ。行くなら相当な覚悟と気合で行くべし。「お手軽」ではない。

・・・てことで、800mと1200mのラインを強調しておいた。このラインを超える時は最大限の注意が必要。

5 水域データがブレまくり問題

2の件と同じく、ダムやため池の扱いがブレる。東日本は割とそうでもないんだけど、中部以西がブレまくってる。

具体的には、九頭竜湖が無いために気づいた。

ダムの扱いが中部以西だけ reservoir タグになってる(関東以北と九州はwater)。九頭竜湖の規模でreservoirって言うのが「リザーバータンク」基準の俺には、感覚的に違和感しかないのだけど・・・

ネイティブはどうなんだろうね。てことで、Chatgptさんに「reservoirの画像くれ」って聞いたんよ。

したら・・・ダムっぽいの来たんで、ネイティブ的にはダムはreservoirらしい(たぶんこういう語感のブレが日本のOSM、てかオープンソース系が軒並みダメな原因だと思う)。

ということで、数式を追加した。でもこれ追加すると農業用ため池が出すぎるんだよね・・・まぁいいか。

6 近畿の市町村境界線が取れない問題

osakaが大阪市になってしまい、大阪府のデータがどうやっても取れない。他もなんか知らんけど取れない。

前述のとおり、日本のOSMデータはカオスで微妙説はガチ

多様性と情熱が暴走しすぎてる感がある。まぁ関西人の多様性許容量はハンパナイので、そりゃそうかと妙に納得しつつ・・・

もう無理なのでシカト。ナシで。そこまで影響は無いと思うけど、初版には無しで(俺の技術力とリソースでは無理)。

まとめ

完成したのがコレ

Saikyo-T-kantokansai202124-Icon43600

・BOOTHへ

メッチャ大変だったけど解像度の関係と、いろいろ問題があるから・・・ver1.01は当面の間、基本部分は無料って事で。

てかそもそも、出発地と着地が群馬だから、ぶっちゃけ群馬県民以外が見てどーすんの感がハンパナイんだよね・・・

まぁコレが毎回書いてる「関東の情報が東京に寄り過ぎて群馬県民には使い物にならない」っていうアレの極みなんだけど(逆に言うと群馬県民は使える)。

ということで、支援用に別途課金アイテムも用意する形態になっております(詳細が欲しい方は、支援セットに収録されたGPSデータをご利用ください、全体図も付いてます)。

なお本件の続きである2024年九州版(過去記事 BOOTH)の、セール期間は来週目途に終了し通常価格に戻す(600円)予定なので、欲しい方はお得なうちにどうぞ。

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