コロナウイルスのせいでイマイチ行くところが無い2020年5月。
ステイホームならぬ、ステイリホームを敢行。自宅の壁紙張りをすることに決定。
まー、お約束のごとく、ネット上にイッパイある「プロが教える貼り方の情報」とか一通り見てからヤルんだけど・・・
実際にやってみると・・・うーん? ナンカチガウなぁ・・・という話。
もくじ
- はじめに
- とりあえず 壁紙張りをやってみた
- 何で自分で(DIY)やるのか?
- 単に安く仕上げたいから →大間違い
- まとめ DIYは技術よりメンタル
DIYはテキトーでオッケー(いつでもやり直せる)
はじめに
ステイホームのせいか、Google先生の方針が変わったせいかは解らないが、最近やたらとDIY界に「プロ」とか「プロ級」を持ち出す人が増えた気がする。
しかしコレ、なーんかズレてるような気がしてならない・・・
特に、とにかく何でもDIY派の俺には、違和感がハンパナイ
・・・中には素晴らしい動画を配信してる人も居るんだけどね・・・根本的に何か違うんだよな・・・強いて一言で言えば・・・
テクを磨きたいんじゃないんだよなー、俺。
むしろ、手抜き工事の方法を知りたいんだよ!
だって、DIYなんだから、単に好き勝手やりたいだけなの。
しっぺ返しが来ても良いの。自己責任なんだから、とりあえず精神論(イキオイ)で、ヤっちまえば良くねー?
DIYに大事なのは、匠の技より鉄メンタルじゃね?
・・・など、壁紙貼りを通じて、DIY(Do it yourself)について改めて考えてみた。
とりあえず 壁紙張りをやってみた
今回、やってみた理由は「単にやってみたい」から。
そして、実際にやってみたところ、プロ作業とDIY作業の明確な違い(DIYに必須のメンタル)が判明。
なお、下地の石膏ボードから施工し直しており、個々人の事情によって難易度や仕上がりは大きく異なるため、これはあくまでも経験に基づく個人の感想である・・・と、一応言っておく。
壁紙DIY必須メンタル1 クオリティは気にするな
高品質の確保は必要ない。
過去のあらゆるDIYの経験に基づいてあえて言うけど、コレを重視しすぎると確実に詰む(積んでる人を過去に何人も見た事がある)。
プロ(お金を取る場合)は、手直しが発生すると、その分だけ利益がゴリゴリ削られるけど、DIYにそんなものは無いからだ。
気合と根性はいくら出してもタダなので、低クオリティだったら、やり直せば良いのだ。
でも、その代わりにメンタルがゴリゴリ削られるという流れ・・・
壁紙DIY必須メンタル2 専用工具など要らぬ
最大限、既に持ってるものを工夫して使うべきだ。
まー俺の場合、度重なるDIY歴のせいで、たいていの工具は持ってるんだけど・・・
例えばこんなの↓
ローラー以外全部持ってるし(ローラーも要らなかったが)。むしろ、欲しいのはこれじゃない。糊付け工程の工具だ。実際に購入した工具は
- 計量カップ兼糊混ぜ容器→100均のキッチンコーナーの1Lデキャンタ
- 混ぜる棒→同じく100均のホイッパーを電動ドリルに付ける
- 塗装ローラー→100均ので十分
合計330円で揃った。
一方で貼付け工程の工具は、ほとんどが流用できる
- カット用鉄ヘラ→取っ手付きのアルミ定規(amazon)の方が汎用性あって良い気がした、だが長めの鉄定規でイケた
- 貼付用の刷毛orヘラ→毛が短めの箒でオッケー、だが要らなかった(手動で可)
- 下敷きテープ→完全に要らない(剥がれたらやり直すか、糊を追加投入すれば良し、何なら下地からやり直せば良し)
- ローラー→要らない(手でひっぱたく)
- 作業台→重要、必須(両工程とも)
原則として、仕上げクオリティや耐久性に関わる工具は全部不要だ。何度も言うけど、やり直せば良いだけだから。
そして、実は最も重要な工具(てか設備)は作業台である。これの有無で難易度が大きく異なる。無いなら一枚合板を買ってきた方が良い。
2x3m程度の作業スペースが確保できない場合、プロに頼むべき(糊付けマシン必須)。物理的な問題を、気合と根性でカバーしようとするのは間違いだ。また、世間(販売サイド)でよく言われる、「プロとの技術差を道具でカバー」みたいなメンタルの人は、DIYは辞めたほうが良い。
大きな間違いだと、俺はあえて言っておきたい。工具というのはやってみて、「あ、必要だな」て思った時点で買わなきゃ意味ないから・・・使い方がわからない工具を買っても無駄。そもそも、じゃぁどこまで揃えるの?って話になるし。
極端な話をすれば、今回みたいな作業で糊付けマシン(参考amazon)買うの? 買わないでしょ、絶対に。
壁紙DIYメンタル3 取得済みの技術を応用せよ
今回の壁紙貼りの場合、次のDIYスキルが使える。
- クルマのフィルム貼り
- 粉モノ料理(タコ焼き、ケーキなど)
- クルマの塗装
- 外壁塗装
壁紙貼りの工程に当てはめると、ざっと次の通りになる
張付面の下地処理(3、4と全く一緒)
→クロス裁断(1と全く一緒)
→糊の作成(2と全く一緒)
→糊の塗布(4とほぼ一緒)
→貼付(1とほぼ一緒で遥かに楽)
→仕上げ(1と全く一緒)
特にカーフィルムの施工技術が重要。このスキルがあれば、問題はほとんど無い(しかも準プロ級に仕上がるだろう)。
最も違うと感じた点は、貼付作業における継ぎ目の処理。クルマのフィルムは重ね張りだが、クロスは突き合わせ張り(糊が付かない)。
端の処理とかは基本一緒。てか、曲面が無いから難易度は激低い。エアもすぐ抜ける&目立たない。角の処理は若干経験が必要っぽいけど、たいして目立たないから・・・テキトーでオッケー。
なお俺は、ドアガラス以外のカーフィルム貼りは、業者に頼む派である(超高スキルが必要&法的問題による)。
壁紙DIYメンタル4 下地処理など要らぬ
不要と言うのは言い過ぎだけど、全然気合入れてやらなくて良し。
壁紙の場合、クルマ比10%以下で全然オッケー。厚手の無地クロスを使えば、クッソテキトーに貼ってもパっと見で気にならないレベルにはなる(というか無地クロスはそういう商品だと思う)。
むしろ、パテとか一切埋めなくても全然オッケー・・・くらいの勢い。ちょっとした隙間なら糊(アミノール@ヤヨイ化学)をカタメに作って隙間に盛っとけば良し。
つーか多少の、シワやシミ、継ぎ目の剥離を気にするような人が、DIY施工なんかする? しないでしょ?
これが、「メンタル1」の重要さなワケで・・・ソコソコで納得するのが大事だけど、やろうと思えばどこまででもできる。本件、個人的な体感値で言えば、200平方mくらい施工したら、プロ並の仕上がりになるんじゃないかなぁ・・・と。
そこまでのクオリティ、自宅に必要ないけど。
だって、家具とかモールで隠せばオッケーでしょ? てか、誰も気にしない(見ない)よ、そんなとこ・・・
壁紙DIYのまとめ
壁紙張りは、イッパツ勝負でも十分施工可能な範囲だった(必要なのは作業場所だけ)。
技術はどうでも良いレベル。特に、クルマやバイクの外装をイジる属性の人なら余裕で施工できる。
ただし、何が起きても気にしない、鉄のメンタルが必須。
てかやっぱり、DIYは技術より「心構え」が大事なんだよな~・・・てことで、
何で自分で(DIY)やるのか?
施工後に振り返り、DIY全般について、いま一度考えてみた・・・
よく聞くケースは・・・
- 単に安くしたい
- 単にやってみたい
- 自分でやらないとイヤだ
- 業者に頼むと超高額になる特殊な事情がある
- 自分でできる(現在プロ、過去にプロだった)
こんなところだろうか・・・
今回の俺(のメンタル=心構え)は2番だけど・・・1番の「単に安くしたい」などと、言う人も多い。特にDIY歴が浅い人に多い気がする。
だけどあえて言いたい、これは大きな間違いである。
安易な心構えでやると、DIYは100%失敗する(安くならない)からだ。
心構えは最終仕上がりレベルに比例する(安易な心では綺麗になど仕上がらない)。最悪の場合、途中でメンタルが折れて業者にチェンジする事さえあるだろう。
単に安く仕上げたいから →大間違い
この煽り文句、世間に氾濫しているけど、最も危険ではないか。
実際に、「自分でやれば安くなる!!」・・・みたいな事を謳う記事やチラシは、あまり参考にならない事が多い。
解りやすい例はクルマの塗装だろう。一時期のカー用品店などは、やたらとDIYをアピってたけど、アレは99%失敗する。
みんな、メーカーからお金もらってたんだか何だか知らないけど、若い時安易にスプレー缶塗装をしまくっていた、経験者である俺は言いたい。あんなの無理だ もうガチで。
だってフツーの人、やる場所すら無いし(室内施工が最低条件)。
「やってみたい」のなら良いんだけど、「安く」というのは無理筋すぎる。
だけど、今回の壁紙(住宅関連)について言えば、クルマ関係よりはマシ。理由は、「仕上がり&耐久性をそこまで気にしなくても大丈夫」だから。家屋内は基本的に、第三者に見せる事が無いし、自己満足で許容できる範囲が極めて広い。
それでもやはり、安く(て綺麗に)仕上げる事はできない・・・施工技術のノウハウが無い以上に、安く仕上げるノウハウが素人には無いからである。
利益を出せるのがプロ
「プロ」はなぜ「プロ」で居られるのか?
最も、勘違いしがちなポイントがコレだ。俺も若い時は勘違いしてた。でも、人生経験値が積み上がってオッサンになったある日、やっと学習(←遅い)。
しかし、一部のオッサンオバサンには未だに、プロは技術が有るからプロだ、とか言ってる人が居るのも事実。
俺はそういう人を見ると「ウソだろお前・・・」と、思うけど、実際に居るから世の中の闇は深い・・・
話を戻すと・・・基礎技術があるのは当たり前であって、それはプロの要件じゃない(現場では資格なんぞクソの役にも立たないと言われるアレ)。
プロは、どこまでやったらどういう結果が出るのか解っている(決められたコストで結果が出せる)からプロで居られるのだ。
つまり、コスト意識が有るか無いか。それが、プロとアマ(DIY)のライン。
ここに、WEBでいくらプロの技術を見て学んでも、あまり意味が無い大きな理由が潜んでいると、俺は思う。
DIYに着地点(見積もり)は無い
どこまでやれば完成なのか?
素人にはソレが設定できない(解らない)。というより、自分が納得したらオッケーであり、客観的な基準など必要ない。
例えば、「クオリティ100」が各工程の品質確保の為のラインだとすれば、プロは102~105くらいに収めてくるだろう。
しかし素人は、130くらいまでやってしまったり、80でやめたりする。
これが最終工程なら「やりすぎじゃねーの」とか「仕上げ甘いなー」的な話だけど、途中工程の場合は80ではダメなので、やり直しになる。
タチが悪いのは、次の工程に入ってからダメだと気づく事だ・・・つまりリソース投入量を数値化すると・・・
- 工程1
プロ=102、素人=130(仕上げすぎ) - 工程2
プロ=105、素人=80(仕上げなさすぎ) - 工程3
プロ=104、素人=210(Bの直し30+慎重になりすぎ180まで投入)
合計 プロ311に対し、素人420
みたいな、リソース投入量になってしまう・・・そしてこれが、全工程でつづく・・・
こんなの、安くなるはずが無い・・・でも、それでオッケーなのだ
別に利益を出すわけじゃないから。
まとめ DIYは技術よりメンタル
プロとDIYは根本的に着地点が違う。
だから、プロの話は参考にはなるものの、決定的に必要な情報では無く、より重要なのは、技術よりメンタル(ヤル気、気合、根性、etc)なのだ。
「直し」が入るたびに・・・ゴリゴリと削られて逝くメンタル・・・これに耐えるのではなく、いかに楽しめるか。それが最も重要。
困難を乗り越えるプロセスをレジャーに転換するのが、DIY。
・・・と、思った、ステイリホーム週間2020。