将来、電動キックボード(てか小型特殊の2輪車)が、免許対象外になりそうな動きが出てきた(警察庁 丁交企発第132号等)。
イチバイク乗りのオッサン的には近年最大級のトピック。
このニュージャンル、現行バイク(エンジン原付)に比べて経済性はあるのだろうか?
軽く検討してみた。
なお、2021年6月時点では社会実験段階であり
当該認定新事業活動計画に従って貸し渡されたものでない電動キックボードや、当該認定新事業活動計画に従って貸し渡されている電動キックボードであっても、実施区域の外を通行するものについては、今回の特例措置の対象とならない
とされている上に、不確定要素や不明点も多い。気づいた点があればコメント欄にでもどうぞ。
もくじ
- 免許不要枠電動車のメリットとデメリット
- 原付枠電動車 唯一のメリットは燃費?
- 燃費モンスターのスーパーカブに勝てるのだろうか?
- 現行電動キックボードの燃費計算してみた
- 免許不要枠でも実用性無くねーか?
- 実用性が出てくるのはバッテリ容量が4倍超えたとき
- まとめ 電動キックは完全に趣味枠
都心在住のごく一部の層にしかメリット無さげ
※ 2021年12月23日 規制緩和が決定(警察庁的に)した模様。法案は未通過。
免許不要枠電動車のメリットとデメリット
免許不要化(要は準チャリ枠)された電動バイクが、将来本格的に出現した場合、具体的に何が変わるのか?
とりあえず思いつく限り書くと、こんな感じか。
※現在のエンジン付きバイク(原付1種~2種クラス)比
メリット
- 免許取得費用が不要
(ただし原付1種は1万円以下) - 免許更新費用が不要
(3000円。てか半日潰れてクソ、あれこそオンライン化せよ) - 税金が無い
(現在原付1種2000円/年、だだし最終的にチャリ課税される予感) - 保険料が極めて安くなる可能性
(原付2種以下は任意含めてMAX1万円/年程度) - 安全装備が大幅に削減可能
(実はデカイ。ヘルメット、ジャケット等は地味に高い) - 油脂類の定期交換、補充が無い
(ただし全車4スト化された現代は給油頻度が低下) - その他消耗品もほぼ無い
(ただし現代の車両は壊れにくいし、電動パーツも壊れる)
- 持ち運べるため駐輪場が不要
(ただし日本の9割以上の地域は関係ない) - 燃費が極めて下がる可能性
(最も重要な要素だが、既にスーパーカブが存在する)
デメリット
※同じく、現行のエンジン付きバイク(原付1種~2種クラス)比。
- 遅い
(まぁでも、30以下領域では実態としてたいして変わらんと思う) - 航続距離が短い
(小型以下で100km以上走れるモデルは見つからない) - 充電に時間がかかる
(給油は5分、バッテリーは数時間) - 積載量が無さすぎる
(人の移動のみに特化) - アフターサービスが怪しい
(前述のカブなら全パーツ買える) - バッテリーが消耗品
(最も重要 詳細後述)
小型電動は免許不要枠化 ガチ必須(原チャリ枠ではメリット無し)
上記のとおり、メリットの大部分は速度抑制による免許不要化(仮)に由来する。
速度低い→免許要らない→登録要らない→装備要らない→課税(把握)できない
この論法(たぶん)。
しかしながら現在、電動キックボードは「原付ナンバー取得必須=免許必須」。これでは極めてメリットが無い。と言わざるを得なく、俺的に買う理由は皆無。買ってるヤツは理解不能。
だったら、スーパーカブやアドレスを買った方が良くね感しか無い(更に言えば2種のPCX、てかもはや原付1種を買うメリットなどほぼ無い)。
2021年現在、「ナンバー付き小型電動キックボード(スクーター)」をアピってる勢力がけっこうあるけど・・・正直な話、あれはマジで良く解らぬ。
超低速域のママチャリ代替なのに免許が要るなら、チャリor電動アシストチャリで良くね?
てか、スーパーカブやPCXと同じ土俵でガチバトルして、勝ち目があるのだろうか?
俺には疑問しかない(将来法規制が外れる事が裏で内定してるんじゃね疑惑を持ってる)。
※ 追記 やっぱり内定してた事が半年後に判明。
原付枠電動車 唯一のメリットは燃費か?
さっきのメリット、免許登録関連を除く要素(メンテ、持ち運び、保険)を少し掘り下げて考えてみよう。
メンテナンス性がー 言う時代は終わった
- 油脂類の定期交換が無い
- 消耗品もほぼ無い
オイル交換(補充)が要らない、消耗品が無いなどのメンテナンス要素は、20年前ならまだしも工業製品の耐久性が激烈に上がった現代では、もはやどうでも良いレベルに達してる。
イマドキの(エンジン付)バイク、滅多に壊れないんだよね・・・というか過去、壊れまくってた(調子悪くなる)原因のほどんどは、キャブ+2ストが原因だったと思うんだわ。
そもそも、電動だろうが何だろうが製品寿命は永遠では無いし(特にバッテリ)。
参考、俺のバイク(2010年モデル250cc)
バイク10万キロ突破記念 ぶっ壊れたところのまとめ(総維持費)
持ち運べる・・・のはメリットではない
販売サイドの皆さんは、さも軽々持ってるような動画を作りまくってるけど、スペックをよく見たらけっこう重量がある。
てか、気合入れればカブやPCXだって持ち上がるし、そもそもタイヤが付いてるのに持ち上げる必要性は特に無いと思うのだが・・・
従って、持ち運びについては圧倒的なメリットというワケでも無く、ぶっちゃけかなーりどうでも良い。
いくら「簡単に持ち運べますッ」っつったって、結局みんなクルマで運んでるイメージ動画(到底実用性があるとは思えない)ばかりだし・・・
クルマ積載前提だったら、ミニバン以上ならちょっと工夫すればカブも余裕で乗るだろー・・・公共交通機関に載せられるか否かがキモだろー・・・と思うのだが・・・
保険料が極めて安くなる・・・のかは不明
いやぁ・・・普及したら事故が増えて、保険料が上がる未来しか俺には見えぬ・・・
てことで、残る要素は・・・
やはり燃費しかない
原付枠(免許と登録が必要)ならば、結局メリットは燃費しか残らないのではないか?
燃費モンスターのスーパーカブに勝てるのだろうか?
結論としては、やはり電動車最大のメリットは燃費だと思う・・・
てことで本件、更に掘り下げて考えてみよう。
スーパーカブ50の燃費は約120Wh/km(8.33km/KWh)相当
燃費モンスターのカブ。抑えて走行すれば50km/Lくらい余裕で出る、燃費走行したらもっと出る。
仮に実用レベルで50kmだとしよう。ガソリンが150円/L時であれば、kmあたりの燃料(エネルギー)単価は3円になる。
3円で買える電気は約0.12kWh(120Wh)。つまり、電力換算したカブの燃費は、約120Wh/km相当(8.33km/KWh)になる(エネルギー効率ではない※)。
この数値をベースに考えてみよう。
※エネルギー効率は183Wh/㎞(5.46km/KWh)になるはず。(ガソリンを33MJ/Lとした場合、33MJ÷50km=0.66MJ/㎞=183Wh/㎞=5.46km/KWh)。
電気代は地域によって異なるため、25円/kWhで試算した。仮に電気代が半額の12.5円になると相対的にカブの燃費は2倍悪化し、240Wh/km(4.16km/KWh)相当になる。逆にガソリンが半額になると2倍に伸び、60Wh/km(16.66km/KWh)相当になる。
計算間違ってる場合はコメント欄にでも。
ハーレーライブワイヤー カブ以上の燃費を達成してるという課税の闇
ここで参考までに大型電動バイク枠、つい最近発売された、日本仕様のハーレーライブワイヤーを見てみよう。
カタログ値によれば、バッテリー容量は15500Wh。航続距離が市街地走行235km、高速道路152kmになってる。
また、Zeroモーターの SR/F は14400Whの高速159km。
公式サイト
ライブワイヤー
https://www.harley-davidson.com/jp/ja/motorcycles/livewire.html
Zero SR/F
https://www.zeromotorcycles.com/model/zero-srf
この数値を元に計算すると、ライブワイヤーの高速道路時の燃費(というのも変だが、とりあえずこう呼ぶ)は約100Wh/km(10km/KWh)。
電動車の燃費はスゴイ。
ハーレークラスで高速を走っても、カブレベルの燃費を叩き出す・・・
のではない。本当は叩き出していない。しかし、課税のバランスが狂ってる為にこうなる。ガソリン税が無ければ、カブは13km/KWh相当なはず(重ねて言うがこれはエネルギー効率ではない)。
バイクの車体サイズと燃費には相関性が無い問題
ハーレークラスでこの燃費レベル。
車体サイズが更に小さければ、もっと省燃費になる・・・電動キック燃費最強ー・・・
となる気がするのだけど、ソコはバイクというジャンルのお約束。車体の大きさと燃費が比例しない。
電動化すると最高出力とも比例しなくなるため、更に相関性が無くなる。
つーか、結局のところバイクは趣味なので、乗り手がどんだけパワーを求めてるかに過ぎない。
例えばSR400より、NSR50の方が燃費が悪いという謎現象が実際に起きる。それがバイク。
まぁでも一応、パワーを全て捨てたコスパ最重視コンセプト。原付枠国産電動車も見てみようか・・・
現行原付枠の電動スクーター メッチャ微妙
例として、ヤマハのイービーノという電動原チャがある。
これのバッテリ容量は500Wh(少なすぎて2度見した)。30km/h以下の極低速走行での航続距離は20km台。MAXの29km出たとしても燃費は17.2Wh/km(約58km/KWh)。
先程のライブワイヤーのMAX値、市街地走行時燃費が約66Wh/km(約15km/KWh)。
航続距離はイービーノの8.1倍、最大出力は62.5倍。しかし、燃費は3.8倍の悪化に収まってる。
このように、燃費は全く比例しない(ほぼ車両総重量に比例してる)。
・・・てかさ、現行の国産小型電動バイク、
航続距離20kmで何すんの?
って感じなんだが・・・
従来型のスクータータイプにするメリットて何なの?
この路線、間違ってね?
ハーレーみたくモアパワー、モア電池容量を求めた方が理にかなってね?
こんな20kmしか走らないバイクをあの車体価格で、誰が買うというのか?
未来感を求める新しモノ好きが、イービーノを選択するとは俺にはどうしても思えないんだよなー・・・15年前ならまだしも、もうハーレーやZERO出ちゃったわけよ。電動キックも。
今更アレに行くか?
販売対象は誰なのか、サッパリ解らぬ。コスパ厨なのかと言えば、それはアリエナすぎると言わざるを得ないし・・・
デメリットを考えたら、イービーノよりカブ買った方が遥かに良いでしょ。免許不要なら、アリかもしれないけど・・・
免許が必要ならイラナイ
やっぱりどう考えても、超小型電動2輪は免許不要化待ったなし。
免許が必要ならイラナイよな。マジで・・・
早くしないとこのジャンル(電動バイク)、全て国外メーカーに持ってかれる気がするんだが・・・いや、もう遅いかもしれぬ・・・
バイクは原則趣味なんだからさ、低コスパ、低環境負荷路線で売ろうとしても無駄だって・・・
というか、免許が必要な時点でコスパを語るのは無謀すぎるだろー・・・ママチャリ乗ってる人を取り込まないと、永久に普及しない予感しか俺には無い。
このスペック(航続距離20キロ、速度30キロ)ではどう考えても、既にバイク乗ってる人たちが買う事は無い。
何度も言うが、カブ買った方が良いので・・・
現行電動キックボードの燃費計算してみた
てことでやっぱり、超小型電動2輪(バイク)の本命は、軽量低燃費である電動キックボードタイプ(しかも準チャリ枠)ではないだろうか?
少なくともスクータータイプでは無いと俺は思う。
もし仮に、現行で売ってるオモチャ+αレベルの電動キックボードが、免許不要枠になった場合、燃費(ランニングコスト)はどの程度になるのか?
はたして経済性はあるのか? やっぱり趣味の範囲なのか?
計算してみた。
電気代のコスト感
まず、ざっくり電気代の感覚を掴んでおこう。
小売電力を25円/KWhとし、バッテリーの充電効率を80%とした場合の1回の充電費用は
- バッテリ500Whタイプ 15.63円
- バッテリ1000Whタイプ 31.25円
まー、ざっくり考えて100Whあたり約3円かかる(30円/KWh)。
販売されてる車両で計算してみた
ターゲットはAmazonで売ってるコレ
アマゾンの販売者は型番の記載が無いけど、公式サイトを見た限りS1というモデルっぽい。
公式サイト
https://www.megawheels.com/en
※繰り返すが、2021年現在、日本国内で一般人所有車の公道走行は不可。じゃ、どこで乗るのよ? という謎商品。自宅敷地内とサーキットしか無くねーか(原付バイク走行可の公園など見たこと無いぞ、俺は)。
S1のスペックには以下の記載がある。
- バッテリ容量 5.0Ah
- 標準電圧 25.2V
- 充電器出力 29.4V/ 2A
- 充電時間 3時間
- モーターパワー 25.2V
- 最大距離 8-12km
ここから計算&推定すると、
- バッテリー容量 126Wh
(5.0Ah×25.2V) - 充電時消費電力 176.4Wh
(29.4V×2A×3h) - 充電効率 71%以上
(バッテリー容量÷消費電力 電流制御の有無不明なためMAX値) - 電力消費効率(燃費) 29.4Wh/km(34km/KWh)
(176.4Wh÷6km 最大値の半分と仮定) - 走行コスト 0.735円/km
(電力価格25円/KWh時)
俺の計算ではこうなった。最もブレるのは最大走行可能距離かなと思う。さすがに半分は走ると思うけどハーレーやZEROと比べ、スペック表記の嘘くささがハンパナイので、MAX値は有り得ないでしょう・・・たぶん。
廃車(ぶっ壊れる)タイミングが重要
S1の公式サイト価格は174ドル、日本円で約19000円。まぁ多めに20000円としておく。
オモチャレベルの電動キックに、どれだけ耐久性があるのかは未知数のため、複数パターンを考えてみた。
100kmで壊れたときの距離単価(ランニングコスト)
200.7円/km
内訳
- 電気代 73.5円
- 本体 20000円
さすがに充電20回以下で壊れるとは考えにくいが・・・可能性はある。
でも、完全に趣味の遊びとして、実用性無視して考えれば全然アリっちゃアリな数値。
実はこれでも、サンデードライバーが所有するマイカーよりkm単価は安い。
参考過去記事
自家用車の維持費(ランニングコスト)が高い原因は税金でも修理費でも無かった
200kmで壊れたときの距離単価(ランニングコスト)
100.7円/km
- 電気代 147円
- 本体 20000円
ガソリンバイクと違い燃費が良すぎる上に維持費が無い(制度で乗れる場合)ため、乗れば乗るほどダイレクトに距離単価が低減する。
充電40回は・・・まぁ耐えられるとは思うが・・・謎。
400km以上
以下同じように計算したらこうなった(小数点第二位四捨五入)。
走行距離 | 距離単価 (円/km) |
電気代 (円) |
最低 充電回数 (回) |
参考同コスト帯 |
---|---|---|---|---|
100km | 200.7 | 73.5 | 17 | サンデーD車 |
200km | 100.7 | 147 | 34 | 都市部ゲタ車 |
400km | 50.7 | 294 | 67 | 郊外ゲタ車 |
800km | 25.7 | 588 | 134 | 250ccバイク |
1600km | 13.2 | 1176 | 267 | 125ccバイク |
3200km | 7 | 2352 | 533 | 極限のカブ |
6400km | 3.9 | 4704 | 1067 | – |
12800km | 2.3 | 9408 | 2134 | – |
最大の問題 充電回数
2021年現在、リチウムイオンバッテリーの充電回数は、500回程度が保証限度と謳われている事が多い。超えたから即使えなくなるわけでも無いが、容量(走行可能距離)は減る。
さすがに1000回は厳しいだろう・・・つーか、1年365日しかないので、1000回充電は3年くらいかかる。オモチャレベルの電動キックが、3年も使えるのかは疑問。
まぁ、本田技研レベルの部品を使って組み立てられていれば、3年など余裕でクリアできるのだろうが・・・さすがに179ドルモデルがそんなワケないので・・・
極限MAX2年くらいが現実的ではなかろうか。
免許不要枠でも実用性無くねーか?
毎日限界まで走行してノートラブルで2年を迎えた時、先程の表にある、3200~6400kmの範囲に入る。
このときの距離単価は、約10円前後だと予想される。保険が未知数であり、仮に年間4000円と仮定すれば、2年で8000円。1600km時でキロ単価は5円アップ。3200kmで2.5円アップする(俺はもっと高くなると予想)。
これは、スーパーカブ50(車体価格込の距離単価)より若干高く、PCXよりは安いという、かなり微妙なライン(だと思われる、あくまで全部机上論なので)。
メリット 駐輪場しか無い疑惑
実用性が遥かに劣る電動キック、いくら燃費が良いと言われてもカブと距離単価が同じでは話にならない。
マジで免許不要化必須。じゃないと採用するメリットなど無い。いまのところは、目新しさと未来感が全て。
本当にガチで体感できそうなメリットは、持ち運びが容易な点しか残らない(前述のとおりクルマ積載のメリットは無いため、公共交通機関の話)。
しかしこれも免許不要化は必須。
装備の削減により軽くて保安部品も無いのが大前提になる(室内や鉄道でナンバー+メットあったらクッソ邪魔だよ絶対に)。
でもこのメリットさー・・・ごく一部の大都市中心部だけなんだよね・・・
日本の国土の9割以上は、バイクなんてどこでも置けるんだわ。東京には勘違いしてるヤツがけっこう要るけど、日本の国土のほとんどはド田舎で、バイクが気軽に置けないレベルの過密都市なんて、東京と名古屋と大阪の中心部にしか無い(というか、ほぼ東京しかない)。
駐輪場問題など大都市の駅前にしか存在しない。郊外以遠なら駅前すらデフォで無制限停め放題無料になってる。
ちゅうことで、よくよく考えていくと電動キックボードというジャンルは・・・完全に遊具のポジションでしか無いのではないか・・・いやまぁ趣味という点では正しいのだろうが。
やはり、バイク(2輪)はどこまで行っても趣味だった・・・て、ことかね。バイクに実用性など無いのだ(カブにワンチャンあるのみ)。
買う理由は楽しめるかどうか。
でも、個人的感覚で言えば、カブ買った方が遥かに楽しめる。
実用性が出てくるのはバッテリ容量が4倍超えたとき
じゃぁどんだけ進化したら買うのか?
これは個人的嗜好が強く出るため、なんとも言えないが、ガチ地方民の俺が個人的な感覚で、ココまで進化したら買おうかな・・・というラインを考えてみた。
何度も言うが、免許不要枠ができたと仮定しての話(前述のとおり、原付枠はどこまで行っても価値無し判定の予感しか無い)。
ウチの自宅スペック(クソド田舎の一軒家)はこんな感じ。
- 最寄コンビニ 1700m
- スーパー 3000m
- JR駅 11000m
世の中には、市クラスでこの半分くらい、町村だとこの倍くらい(駅除く)のロケーションに住んでる地方民が割と居るはず(駅まで数キロは地方ではごくフツー)。
先ほど挙げた電動キック、MEGAWHEELS S1の最大走行距離はカタログ値で8-12km。
マージンとって6kmとした場合、スーパーすら行けるのか怪しい。最低でも4倍の24kmは欲しい。それでも駅はやや厳しい。けっこうギリ。
更に倍(8倍)の48kmあれば十分使えるとは思う。免許が無くても生活できるようになる可能性は高い(どうせそのスペックは、免許不要になど永久にならない気がするけど)。
4倍時のスペックはこうなる(S1基準)
- バッテリ容量 20.0Ah
- 標準電圧 25.2V
- 充電器出力 29.4V/ 4A
- 充電時間 6時間
- モーターパワー 25.2V
- 最大距離 32-48km(実用24km)
総走行距離12000km付近で充電回数500回を越えるはず。この時の燃費は2.3円/km。
最低限このくらいのスペックが無いと田舎では買う意味がないのかな、と。
遊ぶにしても、カブやPCXを買った方が楽しい(と、バイクの免許持ってる俺は、1ミリも疑う余地無くそう思う)。
俺が買うライン 49800円でバッテリー500Wh
さっきの4倍スペック、燃費等の試算は179ドル(2万円)で買えた場合であり、2020年代内に達成されるのかは疑問だ・・・
仮に価格が4万円なら、表内の6400km相当(燃費3.9円/km)。8万円なら3200km相当(7円/km)。16万円では完全に意味が無い。
まぁ現実的なラインとしては、49800円でバッテリー500Wh(20.0Ah-25.2V)かな・・・当然、免許不要枠で。
つまり、イービーノレベルのスペックを持った電動キックが免許不要になって49800円。的な状況。
このくらいなら案外、数年であっさり出るかもね・・・中華から。
最大の難点は「免許不要になるのか」ってところだな。でもどうせこの国は、既得権益に忖度しすぎてならないだろうね。
んで結局、全部中華にもってかれるんだろうなー・・・家電、パソコン、スマホみたく。
まとめ 現行電動キックボードは完全に趣味枠
やっぱりバイク(2輪)はどこまで行っても趣味。コスパを考えて乗るものではない。
たとえ考えたとしても、スーパーカブ50の価格は、236,500円。汎用性(荷物、速度、航続距離)が無い電動キックボードが、カブを超えるのは困難すぎる。
カブの半額の半額、6万円以下かつ免許不要ならギリ検討に値するかも・・・というレベル。
それでも既にバイクの免許持ってる人は、選択肢に入らない・・・純粋に、現行バイク型の電動車を買うだろうから(さっき挙げたライブワイヤーなど)。
まぁこれは価値観の話になっちゃうから、「ジャンルが違うと認識」すればアリなんだけど・・・
俺にはそこまで圧倒的な違いは感じられないね・・・チャリとオートバイの方が明らかに差がデカい。
電動キックボードが、チャリ側なのかオートバイ側なのかで言えば確実にオートバイ側だ。ってこと。
仮に、完全に人の移動に特化した超小型モデルが出て、「手荷物として鉄道車両に無条件で積める」って感じになったとしても・・・
本田技研工業レベルの品質かつカブの1/4価格かつ免許不要にならなきゃ、俺は買わぬ。
3回目だが、カブ買ったほうが良いから。
そもそも原付枠自体が もはや意味不明ポジ(てか元々グレー枠だった)
電動キックボードは原付枠の制限が外れなければ、そのうち誰も買わなくなるのではないか(早期導入者層が飽きたら終わり)。
「クルマの免許に付いてる50の免許で乗れる」ってところだけでは弱すぎる。現状では実際にソレ向けのマーケティングがされてるっぽいけど、チャリダー、(オートバイ)ライダーがアレで買うのかは大いに疑問(特にSUVに乗っけて出先で使う的なスタイル、意味不明すぎ)。
だいたいさー、今、現役でバイク乗ってるヤツの共通認識として、もう原付1種(50)に価値ねーよな・・・ってのが、最近のコンセンサスじゃね?
税金は上がる、2スト無くなる(イジり要素)、建前の30制限が建前じゃなくてガチになる、メットもウルサイ、実燃費は125や250の方がむしろ良い・・・てな感じになってしまった現代。
バイク免許不要のお手軽快適さなら電動アシストチャリ、免許持ってて趣味なら90㏄~。その間のクラスは実にビミョーかつグレー。
てか、ペーパー試験のみで乗れる原付枠(50)の存在自体が元々グレーすぎなんだよ・・・アレは公道と農道の区別が付かない未開の地域で乗る(現代では離島やクッソド田舎にしか無い)、テキトー&ブッチギリ前提の謎カテゴリだと俺は思ってる。
農機だかチャリだか何だか解らんものは、全部原付枠。「チェーンソーのエンジンじゃパワー出すぎなんで草刈り機のにしてくださいよ」みたいなノリ。
ソレをバイクとして都市部で使うってのが、ライフハック的な手法(日本お得意の魔改造を真面目にやってしまうヤツ)だったんじゃね? と・・・
50以下って最初は、ほぼ無規制のヤケクソベンチャー枠だったのに、やりすぎちゃって規制かけすぎた結果、どっちつかずの意味不明枠化した感じしか俺には無い(本来30厳守してたらメット、安全装置などほぼ要らないはずなんだが、じゃないとゾーン30規制と論理的に不整合すぎるだろう。税金も500円くらいが妥当で2000円は明らかに狂ってる)。
やりすぎ全盛期、ほぼ全車リミッターカットしてたのがマズかったんだろうなぁ・・・その前の86年まではデフォでノーヘルなんよ? だから余韻で90年代まで規制激ユルだったわけよ。
現代ではアリエンけど、これ付けたら70以上出るッ、横浜新道が楽に走れるッ!みたいな会話をフツーにしていたパイセンも一杯居たし。
でもなー・・・社会的には大問題なんだけど、日本が先へ行くためにはあのノリが再び必要になってきたのかもなー・・・
リスクゼロでは先に進まんからなぁ。過去にゼロを求めていたら、鉄道も自動車も蒸気機関も、電灯すらも絶対に不許可だったはずだしなぁ・・・