バイクのオイル交換サイクルは早い・・・てか、替えまくった方が快適かつ爽快に走れる。
ということで・・・オイルは替えまくってナンボ派の俺が、バイク(※つーかトリッカー/セロー)向けオイルとオイル交換時期について、あらためて考えてみた。
そして、NBSジャパンのペール缶(Amazonで売ってるコレ)を買ってみたので、インプレ。
※公道仕様のバイクなら、ほぼ同じ考えでイケると思うが、最終判断は所有するバイクの取説を確認していただきたい(ヤマハ車は文中のリンク先で見れる)。
もくじ
- 純正オイルが一番無難・・・だが
- USAの「推奨」が全く違う
- オイル交換頻度の問題
- オイル選びと交換サイクルの派閥
- YAMALUBE スタンダードプラス10W-40
- カストロール GTX 10W-30
- NBSジャパン10W30SL
- NBSジャパンのオイル 10W30SL MA のインプレ
NBSジャパン
純正オイルが一番無難・・・だが
イキナリ最初から結論出てるんだけど、メーカー推奨(純正)オイルを使うのが最適かつ無難。
しかし、これが曲者なんだよ・・・「推奨」であって「必須」や「専用」じゃないから。しかも「推奨」の範囲が年式、グレード、仕向け地、販売側の事情などでブレまくるという・・・
特に日本だと不当なまでに純正ブランドや高級ブランドを推奨してくるけど・・・ベースオイルは社外の汎用品である可能性が極めて高い。
ヤマハやホンダはオイルメーカーじゃないし、油田や製油所を持っているという話は聞いたことが無いからだ。ということは、どっかの第3国で掘った原油を、どっかの外部業者が精製したヤツをベースに製品を作るしかない・・・
まー、たとえ自社所有してたとしても、全車種向けに個別専用品を作る事など無い。そんなのコスト的(特に流通/在庫)に合わないだろう。
汎用品を使ってる限り、「必須」にはできない、だからあくまで「推奨」に留まっているのだと俺は思う。
では、何が「推奨」されているのか。とりあえず日本仕様のオーナーズマニュアル(取説)を見てみた。
ヤマハの取説サイト→https://www2.yamaha-motor.co.jp/Manual/Mc/
俺が持ってる2014年式のトリッカー(セローもほぼ同じエンジン)の推奨エンジンオイル(6-4ページ)は
- ヤマルーブプレミアム(SAE 10W-40、JASO MA)
- ヤマルーブスポーツ(SAE 10W-40、JASO MA)
- ヤマルーブスタンダードプラス(SAE 10W-40、JASO MA)
※ヤマルーブFXは利用禁止。化学添加剤は禁止。
こうなってる。
純正押しハンパナイ。「推奨」の範囲狭すぎ。こんなの見ても意味ねー・・・てことで、USAサイトへ・・・
→https://www.yamahamotorsports.com/motorsports/owners-manuals
※グローバルトップから辿ると、その他の国の仕様も見れる。
USAの「推奨」が全く違う
2013年式XT250(セロー)のエンジンオイル交換のページには、こう書いてある・・・
Recommended brand: YAMALUBE
Type: SAE 10W-30, 10W-40, 10W-50, 15W-40,20W-40 or 20W-50
Recommended engine oil grade: API service SG type or higher, JASO standard MA
NOTICE
In order to prevent clutch slip-page (since the engine oil also lubricates the clutch), do not mix any chemical additives. Do not use oils with a diesel specification of “CD” or oils of a high-er quality than specified. In addition, do not use oils labeled“ENERGY CONSERVING II” or higher.
要約すると
- 推奨はヤマルーブ(特に具体的な型番無し)
- SAE 10W-50の間(5W記載なし)
- API SG以上が推奨
- JASO MAが推奨
- 化学添加剤は使用禁止
- API CD以上は使用禁止
- Energy Conserving II (Resource Conserving)表記のオイルは使用禁止
※前期キャブ仕様はSF以上が推奨、2019年式は10W-30の記載なし。
全然記載内容が違うんスけど・・・USA仕向はそんなに違うのだろーか・・・基本一緒だと思うんだけどな・・・
なお、2018年式セローの日本語取説など、SAE表記すら消えてた(俺が見た範囲で)・・・環境対策なのか、顧客取り込みなのか、2PSアップのせいなのか、知らんけど、いくら何でも酷すぎないか?
こんなんで、どうやってオイルを選べと・・・
オイル交換頻度の問題
使えるオイルが解ったところで、次の問題、じゃぁどんなサイクルで交換すりゃ良いの? って話。
これもまた「推奨」がブレまくる・・・
バイクのオイル交換サイクルは早い?
昔はクルマ(日本車)でも3000㎞~5000㎞などと推奨されてて、実際に交換しないとヤバかったけど、最近は「1万km又は1年毎」以上がフツー(欧州車は昔から長い)になり、全く問題も出なくなった。
・・・が、バイクは未だに短距離の交換が指定されている。
先ほどと同じく、日本語の取説を見てみよう・・・
3000㎞/1年になっている。
でもね・・・
USA→3000mile/半年、EU→10000㎞になってるよ!!
ガチで意味不明・・・なんなのこれ・・・EUの資料なんて2005年式のキャブだぞ・・・
ただ、少なくともクルマよりは明らかに短く設定されてるのは確かだ。この理由はいくつかあると思う。俺が思うに・・・こんな感じ。
オイルパン容量が少ない
大型バイクはそうでも無いけど、中小型バイクのオイルパンは小さい。
俺が乗ってるトリッカー(250cc)だと1.2Lしかない。車体の大きさに制限があるから、割とどうにもならない要素なのだろう。
でもなぁ・・・EU仕様もUSA仕様も1.2Lって書いてあるんだよな・・・謎。
常用回転数が高い
別に回さなくても良いけど回す。バイクは趣味だから。
燃費など、どうでも良いのである。まーしかし、バイクは車体が軽いため、回せば回した分だけ加速するから、あまり燃費は落ちない。てか、小型バイクはぶん回さないとパワーが出ない(伊勢湾岸道はキツかった・・・)。
・・・どうせなら回した方がストレスフリーかつ楽しいだろ! 的な流れ。
しかし・・・回した分だけ確実にオイルは劣化している。というオチ。
でもなぁ・・・小型バイクだとEU/USAの道路の方が激しく回すんじゃねーの? ・・・マジで謎。
ミッションオイルが共通
お約束事項。みんな、このせいだと思っているし、俺もそうだと思う。クルマとの差が大きいのは確実にコレだろう。
前述の回しまくる要素が加われば、劣化が速くなるのは当たり前。
しかし、これもなぁ・・・EU/USAだからって変わるか?
いや、変わらんよな・・・何でEU仕向は10000㎞なの・・・謎すぎ。
趣味だから
事あるごとに何度も言うけど、バイクは趣味。コスパなどどうでも良い。できるだけフィーリング良く走ればそれでヨシ。
劣化したオイルを寿命ギリギリまであえて使う意味は薄い、てか無い。従って短期交換しまくるのがベスト。
「オイル交換サイクルはできるだけ短い方がエンジンに良い」的な話は、人類普遍の共通認識なので、より高いオイルを、より短い距離で交換するのがベスト中のベストである事は疑う余地もない。
・・・が、これが非常に難しい・・・人によって感覚(基準)が違うからだ。
でも、フツーの量産エンジンで高価なオイルなんて必要かね? そもそも、メーカー推奨の純正オイルは高いけど、決して高級というワケでも無いし、実際にそれが新車で入っている・・・
スペシャルなエンジンでレッドゾーン手前を常用するならスペシャルなオイルが必要かな、とは思うけど、フツーに高速をプチ飛ばして走る程度だったら、時代遅れのオイル(SF未満のグレードとか)を入れない限りたいした差なんて無くね?
まー、こういう事言うと必ず、「プレミアムオイルは違う!」「添加剤がスペシャルだから!」みたいな人、出てくるけどさー・・・
俺は新油と粘度の効果を除くと、8割以上プラシーボ効果的なヤツ(思い込みによる気のせい)だろ派だ・・・残った2割も「2コーナーの立ち上がりが6000だったのが6200になったぜ!」みたいな話でしょ・・・それ、公道で要るか?
特に、「ノイズが~」とか言ってるのに、ゲロみたいな激音のマフラー入ってるヤツ、居るじゃん?
アレ、ガチで理解不能。イヤオマエ何ゆってんの・・・高いオイル買う前に耳かきでも買った方が良くない・・・的な。
若干話が逸れた気もするが・・・要は
「趣味なので、交換頻度などは決められないし、決める意味もない」
のではないか。
オイル選びと交換サイクルの派閥
昔から、オイル選びと交換サイクルの思想闘争は繰り広げられており、闇が深い。
前述のように「趣味なので解は無い」からだ・・・ただ、俺が思うに、大きく分けて派閥が3つある。それは・・・
- 安いオイルを短期で交換する派
- 高いオイルを長期で交換する派
- 高いオイルを短期で交換する派
である。
しかし、これも非常に難しい・・・どの程度が「短期」、「長期」なのかは人によって違うからだ(前述のように、公式でさえブレてる)。
短期が3000㎞の人も居れば長期が3000㎞だという人も居る。中には「時間」のみで判定する人さえ居る(常時稼働の発電機じゃないんだから、本来やっちゃダメな方式だと思うんだけど)。
ちなみに俺は、「安いオイルを短期で交換する派」であり、短期=1000~2000㎞又は1~2か月で、オイルは300円/Lが適正価格。くらいの感覚を持ってる(ガソリンが150円/Lなのに、オイルが1000円/Lとか何かオカシくね?)。
この感覚だと「高いオイルを短期で交換する」という行為は、ほぼ走行毎にオイルを交換することであり、サーキット走行以外は該当しない。フツーの公道での利用だと、ナシではないが(金銭的に)理解はできない。
一方で「高いオイルを長期で交換する派」は、俺には最初から全く理解できない。
後半のフィーリング悪化に耐えられないからだ。
てか、短期交換グセが染みついてるから、高いオイルだろうが何だろうが長期無交換なのが我慢できない。ほとんど乗っていなくても3か月以内に100%交換してしまう。
まー、要するに俺は、アンチ高いオイル派であり、純正同等グレード至上主義者(公道でそんなの要らねぇだろ論)。
つまり、交換サイクルにおいては、日本仕様の支持者に近い(これは、BMWとかの欧州車に乗ってるヤツと話が合わない件に繋がる)。
ただし、何度も言うようにバイクは趣味なので自由。好きなオイルを好きなだけ入れればオッケー。俺と話が合わないだけ。
スペシャルブレンドの高いオイルを長期で使うのがサイコーな人は、別のサイトへどーぞ。
てことで、検討したオイル&実際に買ったオイルは次の通り。
YAMALUBE スタンダードプラス10W-40
とりあえず純正。
適合性(トリッカー/セローの)
- 銘柄 YAMALUBE 適合
- SAE 10W-40 適合
- API 表記無し 不適合
- JASO MA 適合
- 化学添加剤 記載無し 適合
- API Cグレード記載なし 適合
- Energy Conserving II 記載なし 適合
安定のYAMALUBE。APIは取得してない。ヤマハ的にはこの指標はどうでも良い模様。まぁ、MA適合してるからだと思う。つまり、日本人ならAPIなんかよりJASOだろ!・・・というメッセージだ(?)。
ペール缶ならそんなに高くない・・・のだが、ペール缶と4L鉄缶容器は詰め替えが容易なため、買うなら信頼できる業者で買うべき。ネットの計り売りなどは危険度MAX、論外である(昔、偽ワコーズを売ってるクソ野郎が実際に居た)。
従って通販では買いづらい。この商品、俺が買っても良いかな・・・と思う取り扱い店はバイク量販店系だけ(NAPS、2りんかん、ライコ)・・・ブランド系オイルをホムセンやネットで買うのはムリだ・・・
カストロール GTX 10W-30
ホムセンオイルの代表格。
適合性(トリッカー/セローの)
- 銘柄 カストロール 不適合
- SAE 10W-30 適合
- API SL 適合
- JASO 無し 不適合
- 化学添加剤 スラッジ低減剤(たぶん清浄分散剤)
- API CF 不適合 使用禁止
- Energy Conserving II 記載なし 適合
流通量多い。4L缶がドンキなどで投げ売りされてる事も良くあり、250円/L~程度で買える。
が、API CFなので使ってはいけない。Do not use の案件にガチ合致。
昔のSH~SJくらいの時代ならバイクに使えたっぽいけど、SLの頃からクルマ用は、ほとんどディーゼル兼用(API CF)になってしまった。
てか、SN時代に突入してからというもの、カストロールに限らずほとんどのエンジンオイルがバイクで使えなくなった。
コメリの4980円/20Lのヤツもダメ。シェブロンはまだ使えるっぽいけど、最近クッソ高くなったから買わねー(昔は180円/Lだったからねアレ)。
NBSジャパン 10W30 SL
適合性(トリッカー/セローの)
- 銘柄 NBS 不適合
- SAE 10W-30 適合
- API SL 適合
- JASO MA 適合
- 化学添加剤 特に無し 適合
- API Cグレード記載なし 適合
- Energy Conserving II 記載なし 適合
銘柄以外全て適合してるけどクッソ安いという、ナイスなオイル。ペール缶で買えば約300円/L。
個人的にはNBS+バイクパーツセンターのコンボは、割と信頼性が高い。バイクパーツセンター運営のYBA社は千葉方面でバイク屋を多数経営してるからだ(NBS社も千葉、サイトの作りが全く一緒、たぶん関連会社)。
この値段であえてインチキするメリットは薄いし、あの辺のバイク野郎を敵に回すような事はしないはず。
・・・てことで買ってみた。
なお、YAMALUBEと違って、API SLにも適合してるのがデカイ。クルマに入れちゃってもオッケー(自己責任で)。
NBSジャパンのオイル 10W30SL MA のインプレ
今年春くらいに購入。既に4回交換してる状態のインプレ。なお、ここ10年のマイトレンドは純正→旧規格シェブロン→NEEDS(櫻製油所)→NBSジャパン(今ココ)。
見た目
やたらシャバい。マジでとにかくシャバい。前に使ってたNEEDS製の一斗缶(10W-30 MA)より明らかに流動性が高い。
クルマも含めて、過去に色々入れたけど、これは10W-30の中でもかなりシャバい方に入る。むしろ5W-30か5W-40に近いのではないか(あくまで見た目的には)。
エンジンフィール
シャバいせいか、エンジンの回りは軽快。ややノイジーな気もするけど、気のせいだろう。全体的に軽い、イイ感じに回る。
NEEDSやシェブロンよりもミッションのカッチリ感が強く、ややギア抜けしにくいように感じるが、しばらく走ってたら気にならなくなった(気のせいレベル)。
NBSジャパンオイルのまとめ
要するにフツー。必要十分。
しばらく走ってたら慣れた。
2000㎞くらい走った後、名阪国道~東名阪~伊勢湾岸~東海環状まで、ぶっこわれそうなくらい回しまくったり、北海道へ行って4000㎞無交換で走行したけど何の問題も無かった。
ただ、個人的な感情で言うと入れるのは避けたいなー・・・と思う車種は確かにある・・・SG指定より前の旧車、VTEC車、ロータリー車、この辺には入れたくない。
てことで、SG指定以降のバイクなら全部大丈夫なんじゃね? MAも取ってるし、レース用途じゃなけりゃ何の問題も無さそう。
300円/L以下なのでガンガン変えられるのも◎。俺は月イチ交換を推奨する。バイク(トリッカー)のオイル交換なんて10分で終わるし。つけ麺屋のゆで時間より速い。
やはり、エンジンには安いオイルをガンガン交換しまくるのがベストでしょ。実際にもう8万キロ超えてるけど、全く不具合出ない。
NBS社(NewBikeSystem)とNTB社(NipponTansyaBody)はマイバイクライフに必須。
無いと困る。いやマジで。